サポート材(支持材)は、空中に浮いた部分を支えるために一時的に出力される構造です。 FDM方式の3Dプリンターは下から積み上げる方式のため、途中に空間がある形状ではサポートが必要になります。
サポートの種類・設定・取り外し方を理解すると、仕上がりが大きく向上します。
サポート材が必要な理由
FDM(熱溶解積層)方式は、フィラメントを下から順番に積み重ねて造形します。そのため、下に何もない空間(オーバーハング)があると、フィラメントが空中に垂れてしまいます。
一般的に45度以上のオーバーハングになるとサポートが必要です。45度以下であれば多くの場合サポートなしで印刷できます。ただしプリンターや素材によって異なります。
サポートの種類
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 通常サポート(Normal) | 格子状の柱。シンプルで速いが、外し跡が残りやすい | シンプルな形状・機能パーツ |
| ツリーサポート(Tree) | 枝状に伸びてオーバーハングを支える。外しやすく跡が残りにくい | フィギュア・複雑な形状(初心者推奨) |
| 水溶性サポート(PVA) | 水に溶ける素材。完璧な仕上がりになるが、マルチノズル機が必要 | 精密パーツ・除去が難しい内部空洞 |
| ブレークアウェイ | 本体と異なる素材でサポート。通常より外しやすい | マルチカラー機・PETG+PLA組み合わせ |
迷ったらツリーサポートを選んでください。取り外しやすく仕上がりもきれいです。
スライサーでの設定
Bambu Studio の場合: プロセスタブ → 「サポート」セクションで「サポートを有効にする」をオン。タイプをNormal / Treeから選択。Z距離(ベッド面からの隙間)は0.2mmが標準です。
Cura の場合: 「サポートを生成」をオンにして、サポート構造を「通常」または「ツリー」から選択。オーバーハング角度は45度が標準設定です。
Z距離(サポートと本体の隙間)は取り外しやすさと面品質のバランスです。0.2mmが一般的な推奨値。広げると外しやすくなりますが、面がザラつきます。
きれいに取り外すコツ
| 道具 | 使い方 |
|---|---|
| ニッパー | サポートを根元からカット。細い部分を切り離すのに便利 |
| スクレーパー(ヘラ) | ベッドに近いサポートをすくい取るように剥がす |
| ラジオペンチ | 内部のサポートをつかんで引き抜く |
| 温水(水溶性サポートのみ) | PVAサポートは水に30〜60分漬けると溶ける |
サポートの充填率を低め(5〜15%)に設定すると取り外しやすくなります。また、印刷後すぐ(まだ温かい状態)に取り外すとPLAは折れやすく取れやすいです。
サポートを減らす設計のコツ
そもそもサポートが必要な箇所を減らすことが最善策です。
| テクニック | 内容 |
|---|---|
| 印刷向きの変更 | モデルの向きを変えてオーバーハングをなくす(最も効果的) |
| ブリッジを活用 | 水平スパン5cm以下ならサポートなしで橋渡しが可能 |
| モデルの分割 | 複雑な形状を複数パーツに分割して後で接着 |
| チャンファー・フィレット | 角の部分を面取りして45度以下のオーバーハングにする |
よくあるトラブル
| 症状 | 対処法 |
|---|---|
| サポートが外れない・本体にくっついている | Z距離を広げる(0.2→0.25mm)/ ツリーサポートに変更 |
| サポートの接触面がザラつく | Z距離を狭める / インターフェース層を有効にする |
| サポートが途中で倒れる | サポートの充填率を上げる / ブリムを追加 |
| サポートが多すぎて時間がかかる | 印刷方向を変えて不要なサポートを減らす |
まとめ
フィギュア・複雑な形状: ツリーサポート(外しやすく仕上がりがきれい)
機能パーツ・シンプルな形状: 通常サポート(速くて確実)
精密パーツ・完璧な仕上がり: 水溶性サポート(マルチノズル機が必要)