「印刷がうまくいかない」「気泡が出る」「ノズルが詰まる」——その原因の多くはフィラメントの吸湿です。
フィラメントは適切に保管・乾燥することで品質を長く保てます。特にPETG・TPU・ナイロンは開封後すぐに対策が必要です。
吸湿するとどうなるか
フィラメントが湿気を吸収すると以下の症状が出ます。
| 症状 | 原因 |
|---|---|
| 印刷中にパチパチ音がする | 水分が熱で気化して弾ける |
| 表面にブツブツ・気泡が出る | 水蒸気が樹脂内に気泡を作る |
| 糸引き(ストリング)が増加 | フィラメントの粘度変化 |
| ノズル詰まりが起きやすくなる | 炭化した水分がノズルに堆積 |
素材別の吸湿しやすさ
| 素材 | 吸湿速度 | 影響 | 注意レベル |
|---|---|---|---|
| PLA | 遅い | 小〜中 | 低 |
| PETG・TPU | 速い | 大 | 高 |
| Nylon | 非常に速い | 非常に大 | 最高 |
| ABS・ASA | 中 | 中 | 中 |
保管方法3段階
① 基本:乾燥剤+密閉袋(コスト:ほぼゼロ)
使用後はシリカゲル乾燥剤と一緒にジップロックへ。PLA程度の素材ならこれで十分です。
② 推奨:防湿ケース(ドライボックス)(コスト:約1,500〜2,500円)
SUNLU フィラメントボックスなどがコスパ良。複数スプールをまとめて保管できます。湿度計付きのものを選ぶと管理が楽です。
③ 上級:フィラメントドライヤー(コスト:約4,000〜15,000円)
スプールを乗せたまま加熱。乾燥しながら印刷できるためナイロン・TPUに最適です。
おすすめフィラメントドライヤー
💡 SUNLU S4(約4,000〜6,000円)
最大4スプール同時乾燥・温度設定が細かい・PLA〜ナイロンまで対応。コストパフォーマンス最高。食品乾燥機での代用も可能ですが、温度精度は劣ります。
素材別の乾燥設定
| 素材 | 乾燥温度 | 乾燥時間 |
|---|---|---|
| PLA | 45〜50℃ | 4〜6時間 |
| PETG | 65〜70℃ | 4〜6時間 |
| ABS・ASA | 70〜80℃ | 4〜6時間 |
| TPU | 50〜60℃ | 4〜6時間 |
| Nylon | 80〜90℃ | 8〜12時間 |
吸湿しているか確認する方法
印刷中の「パチパチ音」が吸湿の最もわかりやすいサインです。普段より糸引きが増えた、表面がザラついてきた、という場合もフィラメントの乾燥を試してみましょう。
💡 簡単な確認テスト
スライサーでフィラメントをノズルから少量押し出してみてください。押し出した樹脂に気泡・ブツブツが見えれば吸湿しています。
まとめ:保管の基本3点
① 使用後は即座に密閉袋+乾燥剤へ
② PETG・ナイロン・TPUは特に注意して乾燥保管
③ 印刷品質が落ちたらまず乾燥を試す
→ フィラメントの乾燥は印刷品質を回復させる最も簡単な方法です。まず乾燥を疑いましょう。