ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、耐熱性・強度に優れた上級者向けフィラメントです。PLA では変形してしまう60℃以上の環境や、機械的強度が必要なパーツに使われます。

ただし扱いにはコツが必要です。この記事では ABS を選ぶ前に知っておくべきポイントと、おすすめ5選を解説します。

ABSを選ぶ前に確認すること

密閉チャンバーが必須です

ABS は反り(ワーピング)が非常に起きやすい素材です。密閉チャンバー搭載機(Bambu Lab P1S・X1C・Creality K1C 等)がないと安定した印刷は困難です。A1 Mini・A1・Ender-3 系での ABS 印刷は非推奨です。

ABSよりASAが向いている場合もあります。「屋外で使う」「UV耐性が必要」な場合は ASA を選びましょう。ABS は屋外での紫外線で劣化しやすいため、外装パーツには不向きです。

ABS が向く用途

  • 車内パーツ・ダッシュボード部品
  • 工業用筐体・ケース類
  • 機械的強度が必要なパーツ
  • 熱がかかる環境(60〜80℃)

ASA が向く用途

  • 屋外設置パーツ・標識類
  • 車の外装・ルーフレール部品
  • UV・雨・熱に長期さらされるもの
  • ABSより反りにくく扱いやすい

ABSフィラメントおすすめ5選

🏆 総合評価順(品質・価格・安定性を総合)

1位:Bambu Lab ABS — Bambu機種ユーザーの最適解

P1S・X1C との組み合わせで最も安定。Bambu Studio にプリセット入りで設定不要。純正品ならではの信頼性。

2位:eSUN ABS+ — 定番コスパ品

通常 ABS より反りにくく改良された定番品。品質安定性が高く、サードパーティ製の中ではトップクラス。

3位:Polymaker PolyLite ABS — 高品質・精密パーツ向き

寸法精度が高く機械部品・精密パーツに向く。品質重視派に。

4位:SUNLU ABS — コスパ重視の試作用

試作品・大量印刷向き。品質は上位品より劣るが、使い捨て用途には十分。

5位:Creality Hyper ABS — 高速印刷対応

高速印刷設計。Creality K1C との相性が特に良い。速さ重視ユーザーに。

ABSの印刷設定の目安

ノズル温度240〜260℃(ブランドにより調整)
ベッド温度100〜110℃(PEIシートまたはABS用接着剤を使用)
チャンバー温度40〜60℃(密閉チャンバー必須)
冷却ファンOFF または最小限(冷やすと反りが増す)
エンクロージャー必須(開放型プリンターでの ABS 印刷は非推奨)
印刷速度40〜60mm/s(速すぎると層間剥離のリスク)

ABSとASAの使い分け

比較項目ABSASA
UV耐性低(屋外で劣化しやすい)高(屋外長期使用OK)
耐熱性〜80℃程度〜90℃程度(ABS以上)
反りやすさやや多いABS と同程度
臭い強め(換気必須)ABS と同程度
主な用途車内・工業部品・ケース類屋外パーツ・車外装備
価格やや安いやや高い

屋外で使うなら迷わず ASA を選んでください。ABS は屋内の高温環境向けと覚えておくとわかりやすいです。

まとめ

ABS は P1S・X1C・K1C などの密閉チャンバー搭載機ユーザー向けの素材です。まず A1 Mini や Ender-3 で PLA/PETG に慣れてから、P1S などにステップアップしたタイミングで ABS に挑戦するのが定番ルートです。

Bambu P1S/X1C ユーザー→ Bambu Lab ABS 純正(設定不要で最安定)
コスパ重視→ eSUN ABS+(定番の高コスパ品)
精密パーツ・機械部品→ Polymaker PolyLite ABS(高寸法精度)
Creality K1C ユーザー→ Creality Hyper ABS(高速対応)
屋外パーツが目的→ ABS ではなく ASA を選ぶ

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